1.目視調査(ビジュアル・エンカウンター・サーベイ Visual Encounter Survey

調査ルートや調査範囲を決めておいて、ゆっくり歩きながら周辺に出現する個体を記録していきます。捕獲するような他の調査方法も、個体を見つけて記録するまでの手順は共通です。

あらかじめ調査地の地図と記録項目をプリントした調査用紙を用意しておいて、個体の確認記録と確認位置を地図に記入します。GPS機能のついたカメラやスマホで写真を撮ると確認日時や確認場所の位置がデータとして保存されますが、調査のときに、その場で筆記記録もとっておいたほうがよいでしょう。次々と個体が出現するときなど、撮影できずに逃げられるといったことがありますから、結局、筆記記録は必要になります。

確認個体を捕獲しない場合は、確認日時と確認場所、写真記録のほかに、見た目の大きさ(成体、幼体など)、性別(カナヘビ類は慣れれば見た目で判断できます)、いた場所の状況(止まっていた場所の植物、高さ、日当たりなど)、個体の行動(バスキング(日光浴)、餌探索、交尾行動、調査者から逃げたなど)を記録します。場合によっては、いた場所の温度や照度を測定します。

個体の出現のあるなしに関わらずに記録することとしては、調査開始と終了の時刻、調査ルート、天候(必要に応じて調査前日の天候も)、他の動植物の記録(昆虫や鳥の鳴き声や植物の開花など)といったことを記録しておくとよいでしょう。カナヘビがいたときの状況を分析するときに、いなかったときの状況の記録が役に立つことがあります。


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