ケニアの石皿                       もどる



 フィールド調査用の資材を買いにホームセンターに行き、雑貨を売っているハウスに入ったところ、正面の棚にこのトカゲとカメの絵柄の皿があった。30センチほどの石の皿が値札で3400円(たぶんもっと安かったと思うが)、トカゲの絵柄となればレジに行かねばならないだろう。ケニアのソープストーンという工芸品らしい。
 その調査はムクドリの群れ行動の解析だが、本筋から外れた興味深い観察があった。ビデオで群れの採食を記録していると何かのきっかけで飛び立つ。芝生畑や刈り取り後の水田で採食している群れを、VHSの一コマずつを送って見ていくと、音などの刺激に反応してその方向に近い個体がまず飛び立ち、刺激と反対方向つまり群れの上を越える方に飛び立つ、次に上を通られた隣りの個体が飛び立ち、次々に連鎖していく。結果として飛び立った群れは玉のかたまりになって飛んでいく。これを確実に証明するためには、この場面を数多く記録することが必要だが、何気なく撮っていたのと違って、飛び立ちを撮ってやるぞと思って車でそろそろと近づくと、カメラを構える前に飛び立ってしまうのだ。


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