カナヘビとダニ もどる
カナヘビの体表にダニが付いていることがあります。ニホンカナヘビに寄生しているダニは、ほぼ1種類のみで、タネガタマダニです。タネガタマダニなどのマダニ類は、寄生して吸血することと、宿主から離脱し、脱皮して次の成長段階になることを繰り返し、成ダニになります。ニホンカナヘビに寄生するのは、幼ダニか若ダニで、成ダニは中型・大型哺乳類に寄生します。越冬前までに成ダニになって温血動物である哺乳類にたどり着けないと生きていけないので、キツネやシカなどの中型・大型哺乳類がその地域に生息分布していることが必要です。野生の中型・大型哺乳類がもともと分布していない離島では、ニホンカナヘビにダニは寄生していませんが、中型・大型哺乳類が少ない都市化地域でも、ニホンカナヘビにダニが見られないことが多いです。逆にニホンカナヘビにダニがついていれば、その地域にはキツネやシカなどの哺乳類の何かがいるということになります。タネガタマダニはヒトにも一時的に寄生して吸血しますので、用心しましょう。
前肢の根元のやや前にダニが寄生している(左)、マダニの幼ダニは藪を通るときや風に乗ってヒトにも付着する(右)
参考文献
竹中践2020. ニホンカナヘビの地域個体群とマダニ寄生率の関係-とくに北海道について.北海道爬虫両棲類研究報告7:1-4.
(2021年1月28日)
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